マウスピース矯正は、透明で目立たず、取り外しもできるという点から人気が高まっています。
しかし一方で、
「思った通りに歯が動かない」
「治療が長引く」
「噛み合わせが悪化した」
といった相談やトラブルも増えています。
本記事では、日本矯正歯科学会(JOS)・日本臨床矯正歯科医会(JPAO)・国民生活センターの公式見解を引用しながら、失敗が起こる構造と避けるためのチェックポイントを整理します。
学会が示す「マウスピース矯正の限界」
日本矯正歯科学会は「アライナー型矯正装置による治療指針」を公開し、マウスピース矯正の特徴と注意点を明記しています。
・マウスピース矯正は軽度の歯並び改善に適応する治療法
・毎日20時間以上の装着が必須
・歯の大きな移動や回転、垂直方向の動きは不得意
つまり「どんな歯並びでも治せる」わけではなく、限界のある治療法なのです。
患者側からすると「透明で快適」というメリットに目が行きがちですが、実際には装着時間と症例選びが結果を大きく左右します。
参照: 日本矯正歯科学会「アライナー型矯正装置による治療指針」
臨床矯正歯科医会が警鐘を鳴らす「不適切な治療」
日本臨床矯正歯科医会(JPAO)は、マウスピース矯正に関する苦情が増えている現状を報告しています。
・計画通りに歯が動かず、治療が長期化
・追加の装置や費用が必要になり、予算オーバー
・見た目は改善しても、噛み合わせが悪化した症例
実際に公開されている症例写真では「前歯は並んだが奥歯のかみ合わせがずれてしまった」ケースが紹介されています。
これは患者が「見た目が整えば成功」と誤解しがちな部分です。歯並びと噛み合わせは別物であり、専門的な診断なしに治療を始めるとリスクが高まります。
参照: 日本臨床矯正歯科医会「アライナー治療に関する注意喚起」
国民生活センターが指摘する「費用と広告の落とし穴」
国民生活センターも矯正治療に関する相談増加を報告しています。
・「広告にあった料金と違った」
・「途中で追加費用を請求された」
・「返金を求めたが応じてもらえなかった」
これらの事例は「安い」「短期間で終わる」といった広告を鵜呑みにした結果、後で想定外の出費につながったケースが多いとされています。
治療そのもののリスクだけでなく、料金体系や契約条件も“失敗”の原因になりえます。公的機関が注意喚起しているように、「治療計画と費用の線引き」を事前に確認することが欠かせません。
失敗を避けるためのチェックポイント
上記の3機関の見解を総合すると、患者が意識すべきチェックポイントは次の3つです。
①適応の根拠を確認する
→自分の症例が本当にマウスピース矯正で可能なのかを、学会指針に照らして確認する。
②装着ルールを守れるかを自己評価
→生活習慣を考え、「毎日20時間以上の装着」が現実的にできるかを検討。
③費用・契約条件を事前に明確化
→追加費用の有無、治療が長引いた場合の対応、返金規定を必ず確認。
まとめ
マウスピース矯正は魅力的な治療法ですが、学会や公的機関の見解が示す通り「失敗のリスク」も決して小さくありません。
・日本矯正歯科学会は「適応と装着時間の厳守」を強調
・日本臨床矯正歯科医会は「不適切な治療による噛み合わせ悪化」を警告
・国民生活センターは「費用トラブルや広告の落とし穴」に注意を促す
体験談や広告だけではなく、公式の見解を理解したうえで歯科医に質問する姿勢が、失敗を避ける最大のポイントです。
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